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第5章・・・・・・宿便を掃除してカラダの中から美しく健やかに。 |
■ ゼットイオン健康法の“Z(ゼット)”のいわれ |
「ゼットイオン健康法のゼットというのはどういう意味ですか」と聞かれることがよくあります。なかには、「Zとはアルファベットの最後の文字だから“Zにつづくものはない。 これが最後の手段だ”という意味ですか?」と好意的な解釈をしてくれる方もおりました。そういわれてみれば、なるほど、私の背水の陣でこの健康法の研究をつづけ、完成させました。アルファベットを順序よく追っていくと最終的にはZにつきあたるわけで、そのZのもつイメージの明快さ、ピリオドの音律のさわやかさ、そしてアンカーとしての使命の重さというものを感じさせられます。 でも私が抱いているゼットのイメージはZ旗なのです。いささか話は古めかしくなりますが、日本海海戦でロシアのバルチック艦隊を迎え撃つとき、東郷元帥が旗鑑にZ旗をあげて、「皇国ノ興廃此ノ一戦ニ在リ、各員一層奪励努力セヨ」と決戦に臨み、部下の士気を鼓舞したことは歴史上有名な話です。 若いころ海軍生活を経験した私にとって、そのZ旗のイメージが強いのかもしれません。私は病気と悪戦苦闘しながら研究にいそしみ、いつも心の中にZ旗をあげていたのです。(ガンバレ、岡部薫。がんばるんだっ。おまえには、自分で自分の病気を治すしか生きていく道はないのだっ。起て、岡部、起つんだ)ともすれば挫折しそうになる自分自身の弱さを叱咤し、激励していたのです。私はまるで呪文でも唱えるように、いつも自分で自分の胸にこう語りかけていたのです。「皇国ノ興廃此ノ一戦ニ在リ」と。 皇国という文字に、健康という意味を込めて、です。そのときの苦闘の年月が懐かしさとなって、私は私の開発した健康法の名前にゼットという名前をつけたのです。抜けるような蒼穹の空に、へんぽんとはためくZ旗をこころに描きながら。 |
■ なぜ女性は化粧品に大金をかけるのか |
世の中はきわめて不公平にできています。生まれながらになにひとつ不自由なく暮らせる人もいれば、そうでない人もいます。なんの罪とがもないのにです。外面的な皮膚の色の違いだけで、ともすれば差別され、体形、顔の美醜でも評価が異なってきます。そういうことはいけないことだと良識でわかっていても、現実にはやはり差別され、驕りとあきらめとがあります。 しかし女性の美への願望、執着となると話は違ってきます。女性同士というのは体形も顔の美醜も超越してまことに凄まじい戦いを展開します。自分をいかに美しくみせるかに腐心し、太った方も痩せた方も、それなりに創意工夫を凝らし、毎日お化粧をし、服を取り替え、装飾品を着けて自分を飾り立てます。「素敵なドレスね、うらやましいわ」「でもあなたは美人だからいいわね、私なんか…」と、一応口先では相手をほめそやしながら、内心では嫉妬し、熾烈な戦いを挑み合っているふしさえうかがえます。 なかには爪も髪もカラフルに染め、整形手術をし、流行の最先端をいき、さらに自分を美しくみせようと飾り立てる方もおられます。飾るというよりは、もはや盛り付けた、という観さえあって男性をタジタジとさせてくれます。自分を美しく飾るということは女性に共通した願望であり、特技なものかもしれません。たとえば好ましい男性にせまられた場合でも、女性は一応「ダメ」とか「いや」とか拒否的なしぐさと言葉をまじえます。それは相手に対して、「責任をとってくれるの?」という遠回しな問いかけであると同時に、「私はすぐ男に抱かれるような、そんなはすっぱな女じゃないのよ」という自己主張があるのではないでしょうか。つまり自分を飾ってみせるのです。そういう特技に男性よりも非常に長けています。女性特有の才能というべきでありましょう。 女性は自分を美しくみせようと飾ります。お給料をもらうと洋服を買い、目は化粧品や装飾品に向いています。女性は贅沢でお金のかかるものなのです。また、太らないために耐えしのぶこともでき、その忍耐力はとても男性の比ではありません。美容にいいといえば汗まみれの格闘を挑み、ヨーガ、ハトムギ、アロエ、高価な化粧品、体操・・・・・・とチャレンジ精神は旺盛です。 |
■ 化粧は塗装でしかない |
古代インドから仏教とともに化粧品と化粧の方法が日本に伝えられてきて、日本の貴族女性も化粧をすることになりました。中国ではすでに二千年も前から二百種もの化粧品が開発されていたといわれます。日本に伝わった化粧品は時代の変遷とともに一般庶民の間にも広まり、日常化し化粧品や化粧の方法も開発されながら今日に至ってきました。現代では化粧品の多さ、人口比による化粧品の消費量、そして美容法の多種多様さは欧米の水準を超えているそうです。現在は女子大生のマニキュア、アイシャドウはあたりまえで、日本の女性のおしゃれは雑誌によると最高水準にランクされているそうです。 女性は自分をより美しく見せるために毎日、いろんな化粧品を使っております。この化粧品を持てば美しくなる。この美容法を続ければ肌が若返る、といわれれば、ひたすらそれに邁進していきます。しかし、化粧品というのは直接、肌に塗って使う以上、当然皮膚呼吸はふさがれてしまい、直射日光を浴びれば肌荒れ、脂やけをおこします。化粧品の中に使われている鉛や石油カスのためです。最近、シミや黒皮病の原因は粗悪な化粧品によるものである、として告発の声があがっていますが、化粧品に使われている油の中には粗悪な鉱物油が使われていたりするのです。そうした石油のカスや鉛を毎日顔に塗っていれば、顔の皮膚が悪くなるのは理の当然です。化粧はうわべを美しく見せるだけの塗装にすぎないのです。 |
■ 本当の美しさは身体の中から |
この文章をお読みになる女性の方にあえて申し上げたいのは、何事も基礎や土台が大切であって、目先の美しさにとらわれてはいけないということです。家を建てるにも、土を盛り、土台をきちんと固めてから柱を建てなければ長持ちはしません。学問もそうです。基礎の完成がなければいくら傾向と対策をたてて受験に臨んでもムダです。生活設計も同じです。生活の基礎もないのに「愛している」と繰り返しても、その愛はガラス細工のようなものです。女性の美しさもそれと同じです。いくらゴテゴテ外装だけを美しく塗装してみたところで、それはその女性のほんとうの美しさではありません。女性のほんとうの美しさや魅力というものは、素肌からにじみ出てくる美しさであり、言い換えるならば、内面からにじみ出てくる健康な美しさといえましょう。 本当に心の優しい人というのはいつも目元、口元がやさしくほころんでいます。内面から優しさ、美しさがにじみでてくるからです。私は美の追究者である女性に対して、化粧はいけない、化粧はするな、とはいいません。そんなことをいえば女性の逆麟にふれ、呪い殺されかねません。また、私は化粧品の研究をしたこともなければ女性の美容法や装飾品についてもあまり関心がありません。ただ、女性のみずみずしさ、美しさは内面からにじみ出てくるものだということを強調したいのです。みずみずしいとか、しっとりしている、というのはカサカサしている、ということの反対ですね。つまり、皮膚が潤っている、水けがあるということです。 ご承知のように人間の皮膚は半透膜と呼ばれる無数の穴のあいた膜に包まれ、内粘膜をふくめ人体すべて穴だらけといっていいくらいです。イオンが足りなくなってきますと、この半透膜下に密接している体液(リンパ液)の運動がにぶり、そのことが皮膚の乾きになって表面化してしまうのです。たとえば、唇が乾くと自然に舌の先で唇をなめます。このなめてツバをつける役が自律神経なのです。胃や腸に宿便がたまり、イオンが欠乏しリンパ液の循環がわるくなる〜これが皮膚の乾き〜カサカサなのです。 とかく人間というものは、大切な自分の体であっても、目に見えないところに対してはおろそかになりがちなものです。皮膚がわるいといって薬はつけても、皮膚が悪くなった内臓の原因についてはあまり深くは考えません。女性はまず素肌という土台づくりにいそしんでいただきたいものです。女性の肌というものは、十分に血行をよくし、肌に水分を与えてやるだけで生き生きとしてくるものなのです。そのうえで自分にあった化粧品を選び、化粧を落とすときはよくふき取って、つねに清潔にしておく以外に方法はありません。 |
■ 肥満を嘆くことはない |
厚生省の国民栄養調査(昭和56年度)によりますと、40代が一番太めで、男性の50%、女性の28%が肥満傾向にあるそうです。【〔身長(p)-100〕×0.9s】というのが一般的な定義になっているようですが、その標準よりも1キロ体重が増えるたびに1年寿命が縮むといわれ、体重が10%増えると心臓の負担は30%増しとなって、心臓、血管に異常をきたし、「肥満は糖尿病・高血圧経由、脳軟化症・脳動脈硬化症の特急券を持っているようなもの」というお医者さんもいるようです。 動脈硬化が脳動脈に起こってくると、いわゆる脳軟化症というボケの悲劇が始まり、心臓の冠状動脈に起こると狭心症や心筋梗塞となってくるのです。それほど肥満というのは恐ろしいもので、太らないようにみんな自己防衛にいそしんでいるわけです。 肥満というのは腎臓機能の低下が原因で尿にならない不要な水分が体内に残っているケースが案外多いものでして、いわば肥満の多くは水ぶくれなのです。また肥満は遺伝だから、とあきらめている方もおられます。確かに体形は親に似ていて腎臓機能の組織が低下しているところまで似ておりますが、あきらめるのは尚早です。腎臓の機能をたかめてやれば、親とは正反対のスマートな体形にならないまでも、均整のとれた体形にはなってくるのです。 |
■ 痩せも肥満も自律神経の失調 |
現在、多方面で、痩せる方法が流行しています。食べ物は控え、生野菜を食べ、体を動かすことがだいたいの骨子になっているようですが、私には疑問があります。というのは、もし太る原因が食べ物や栄養の摂りすぎならば、痩せている人はどうなるのでしょうか。栄養のあるものを食べていればたちまち太るはずです。それでも太らないというのは、どういうことなのでしょう。お尋ねしたいものです。 太っている人も痩せている人も、実は自律神経の失調であって、食べ物が原因ではないのです。自律神経の動力を製造している胃腸の疾患なのです。これさえ完全で在れば、痩せた人は太ってきますし、太った人は体形がしまってくるのです。体が要求してくることに逆らわず、食べたいものを食べるのが本来の食生活の姿ではないでしょうか。まして断食や減食などという方法でスマートな体形を望むことは、いたずらに栄養の欠乏を招くだけで体は衰弱してしまいますし、抵抗力も失われ、けっしてよい結果は生まれてはこないのです。よく「腹が減ると欲求不満になり怒りっぽくなる」という人がいます。肥満の奥底には人間の情緒問題が複雑に絡んでいるのです。おなかが空いたり、気分がいらいらしたりすると、無性にモノを食べて憂さを晴らしたいという願望がわくのです。 外国人の書いたものを、何かの雑誌で読んだことがあるのですが、赤ん坊が泣くと、母親から愛情の表現として食べ物を与えられ、慰められます。大人になってイライラしたり、退屈したときに、やはり食べることによって、気分転換をしようとするのは、病気の1つである、というのです。情緒不安定が肥満にも結びつくわけです。肥満を防ぐには食事の時は一口食べたらかならずフォークを置き、考え事をしたり、新聞や雑誌などに目を向けてはいけないとか、例をあげて精神生活の立てなおしを説いておりましたが、その方法論はともかくとして、肥満が自律神経と深くかかわっているという点では私も同意見です。何という雑誌の、何という人が書いたものかは忘れましたが、ほかにその人の書いたものがあればぜひ読んでみたいと思っております。 |
■ ニキビ・吹き出物 |
ニキビは青春のシンボルといわれています。食欲旺盛な若い人はとかく脂肪分を摂りすぎることも原因の1つになっています。統計的には16歳から25歳までの女性の80%、男性の90%がニキビ保持者で、ニキビは若さの象徴といえましょう。 この年ごろは性ホルモンの分泌が旺盛になり、それが皮脂腺から出てきます。その皮脂腺が詰まって分泌が悪くなると皮脂が固まってしまいます。それがニキビです。女性の場合、生理のまえにニキビが増えてくるのは黄体ホルモンの分泌を盛んにするからです。ニキビをつぶすと、その下にまだ新しい皮膚組織ができていないので、炎症を起こしたり化膿したりして跡が残り、シミやホクロの原因となります。さわらずにつねに清潔にしておかなければなりません。特に女性は化粧品によって毛穴や皮脂腺をふさがれますので、油性化粧やファンデーションはやめ、油ものや甘いものを食べることは控えたほうがよいとされています。 でも、それらは外面的な注意だけにとどまっていて、体質をついていません。なぜならば、ニキビというものは体内の脂肪分がはじきとばされてできるものであって、原因は膵臓機能の低下にあるからです。さらにそのルーツをたどっていくと、胃腸に到達するわけで、やはり胃腸から治していかなければほんとうに治したということにならないのです。吹き出物も同じです。便秘症の人は特にニキビや吹き出物が多いので、腸の大掃除をしてやることをおすすめします。 |
■ シミ・冷え性もあきらめることはない |
シミも肝臓障害、血行障害によって起こることがあります。シミは婦人科疾患も含めた内因性の障害から起こる場合と、強い紫外線を受けてできる外因性のものとがあります。皮膚の下にはイオン層があって、それが膜となって紫外線をさえぎり、シミや色黒の原因となるメラニン色素を予防してくれているのです。ですからイオン層が欠乏してくるとシミやソバカスになるわけで、イオン入湯をおすすめしたいのです。入湯法は男性よりも女性のほうに効果が早くあらわれます。女性は皮下脂肪が多くイオンの吸収性がよいからです。 またイオン入湯は冷え性も解決してくれます。女性の3人に2人は冷え性だといわれていますが、原因は血液の循環にあるのです。つまり男性は頭を中心にして血液がめぐっているのと対照的に、女性は子宮を中心に、血液の60%が下半身に集中しています。それは女性固有の機能をたかめ、保護しているからです。「女性は子宮でものを考える 」といわれるのは、男性とのこの血液の循環の違いをさしているのです。にもかかわらず冷え性が多いのは、やはり女心なのでしょう。薄着に走り、スカートをはき、太らないために減食して冷たい野菜を食べ、足腰を冷やしているからです。冷え性は生理不順、不感症を招き、受胎力が弱まったり不妊症になるばかりか肩こり、神経痛にもつながってきます。 |
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